調製:細胞継代と培養汚染 

実験が中止になる前に汚染を防止

細胞培養での大きな問題の1つが汚染です。汚染は、細菌、酵母、カビ、化学物質、他の生物由来物質によるものや、細胞株のクロスコンタミネーション、あるいはこれらを組み合わせたものであることがあります。汚染は培養細胞の増殖、形態、挙動に影響を及ぼし、最終的には実験結果を損なう場合があります。
 

細菌汚染

特に多い混入物が細菌です。標準的な水道水は100 mL当たり100~1,000 CFUの細菌で汚染されていますが、細胞培養研究における細菌汚染に関してASTMインターナショナルが定めた規格は100 mL当たり10 CFU未満の汚染です。他の一部の汚染物質とは異なり、細菌汚染は通常容易に検出できます。培養液が濁るか混濁状態になる、培地の色が変化しpHが低下するからです。顕微鏡で細菌を検出することもできます。

通常は簡単に細菌汚染を検出できても、すぐに汚染に気づかなければ実験の妨げとなる可能性があります。汚染除去には費用と時間もかかります。

細菌汚染の防止方法:

  • 滅菌技法の実施に努め、滅菌試薬のみを使用する
  • 一般的なラボストック品については汚染のモニタリングは困難であることが多いため注意する
  • 試薬に細心の注意を払い、ろ過滅菌を用いて汚染の可能性を排除する
  • 水も極めて重要な試薬であるため、ストック品や培地の作製には必ず新しく製造した超純水を使用する

細菌汚染の防止に役立つツール:

Arium® Pro超純水製造システム

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ミニザルトシリンジフィルター

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Arium® Pro超純水製造システム

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マイコプラズマ汚染

マイコプラズマ汚染は厄介です。この小型(0.15 µm~0.3 µm)細菌には細胞壁がなく、柔らかい膜があります。そのため、顕微鏡を用いてもマイコプラズマを検出するのが難しく、その小ささ故に哺乳類の細胞培養液内で高濃度に増殖し、目に見えて混濁することも培養液の外観を変えるような変化が生じることもありません。

細胞が死滅するまで培養の汚染に気づかない場合があります。

他の汚染細胞からのクロスコンタミネーションがマイコプラズマ汚染の主原因の1つです。培養物の汚染除去はほぼ不可能です。マイコプラズマはほとんどの抗生物質に対し耐性があり凍結保存法を施さない液体窒素中でも生存するため、同じ液体窒素容器内で保管している他の細胞を汚染します。

細胞株における全体にわたるマイコプラズマ汚染を防ぐ最善の方法:

  • 定期的に培養物を検査してマイコプラズマ陽性の培養物はすべて廃棄する
  • 外部調達した新規の全培養物を隔離して検査する

マイコプラズマ汚染をモニタリングできるツール:

Microsartマイコプラズマ高速検出キット

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培地を購入または自分で作製

選択した細胞培養培地は実験計画の中で特に重要な項目の1つです。培地の選択は、培養する細胞の種類と培養実験の目的に左右されます。細胞株や細胞種は、その種類ごとに高度に特異的な増殖必要条件があり、お客様が選択した細胞での増殖必要条件を満たすいくつかの培地の処方があります。既製の培地(液体または粉末形状)を購入することも、ラボで調製することもできます。いずれの場合も、水は細胞と共に使用される培地、バッファ、添加物の主成分であり、水の品質があらゆる細胞培養実験で重要な役割を果たします。

汚染されていない高品質の水を使用することによって細胞が健全な状態を保ち毎回の実験で同一の挙動を示すことが可能です。

エンドトキシン、無機イオン、有機化合物などの肉眼で検出できない化学物質や他の生物由来物質による汚染が細胞の増殖、形態、挙動に影響を及ぼすことがあります。標準的な水道水にはエンドトキシンが1~10 IU/mL含まれますが、国際規格では細胞培養研究のエンドトキシン汚染に関して0.1 IU/mL未満と定めています。つまり、浄水システムが細胞培養に使用する水からこのエンドトキシンを除去する必要があります。適切な水のろ過システムを使用すると健康な細胞を増やせるため、細胞培養実験での一貫性と再現性が得られます。

信頼性が高く汚染のない培地やバッファを作製するためのツール:

Arium® Pro超純水製造システム

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Arium® Pro超純水製造システム

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Midi Plusピペットコントローラー

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Securaミクロ天びん

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細胞の継代

接着細胞と非接着細胞のいずれを扱う場合でも、細胞培養には定期的な継代培養や二次培養が必要です。培養フラスコを開け、細胞を取り扱い、新しい培地や成分を追加する過程を伴うため、残念ながら継代には汚染の問題が付き物です。汚染物が混入する危険性がこれらの手順のすべてにあります。適切な無菌操作に従い、手早く作業し、最良のツールと汚染されていない試薬を使用することで、汚染物を細胞培養内に持ち込む確率を下げることができます。具体的には、素早く効率的に作業できる滅菌フィルター付きピペットとピペットチップを用いた適切な無菌ピペット操作法が不可欠です。
 

無菌操作を簡便にするツール:

Tacta手動ピペット

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Midi Plusピペットコントローラー

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滅菌フィルターチップ

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Picus電動ピペット

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Centrisart遠心分離機

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細胞の凍結/解凍と損傷の最小化

確立した細胞株は貴重な資源ですが、残念なことに脆弱です。継続的に培養した細胞株は老化、汚染、集団内の遺伝的浮動により失われる場合があります。そのため、確立した細胞株を液体窒素中に凍結保存します。しかし、凍結/解凍過程もこれらの脆弱な細胞にとって負荷の多い環境です。液体窒素中に保存した細胞には通常、ジメチルスルホキシド(DMSO)やグリセロールなどの凍結保護物質を用いて有害な影響から保護します。これらの貴重な細胞が損傷を受ける可能性を減らすためには迅速な対処と適切な技法の使用も不可欠です。

適切なツールを使用すると迅速で効率的な作業が可能になりますが、不適切なツールを使用すると作業に時間がかかり細胞を損なうこともあります。

シード培養から細胞をピペットで取り出す場合と確立した細胞株のストックを扱う場合では、選択するピペットとピペットチップも異なります。凍結保護物質を含む溶液は細胞培養培地の水溶液よりも表面張力が低くなります。例えば、最も一般的な凍結保護物質であるDMSOの表面張力は20◦Cで約43 mN/mです(水は73 mN/m)。表面張力が低いと液体がピペットチップの表面を覆うためピペットによる正確な分取が難しくなります。表面を磨いて処理したローリテンションチップなどの適切なピペットチップを使用すると凍結保護物質と細胞を正しい比率で混ぜられるため凍結解凍により細胞が損傷を受ける可能性を低減できます。

凍結保存中に細胞を生存状態に保つツール:

Tacta手動ピペット

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ローリテンションチップ

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Picus電動ピペット

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滅菌フィルターチップ

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