人工多能性幹細胞の培養、維持および特性解析のためのソリューション
Authors: Daryl Cole, PhD, Kirsty McBain, Nicola Bevan | 最終更新日: 2024年4月
概要
創薬から疾患のオルガノイドモデル化に至るまで、幹細胞は科学的研究における重要なツールとしてますます活用されています。動物モデルからの移行と、人体をより正確に模倣するシステムへのニーズの高まりに伴い、柔軟かつ特異的なツールが求められています。
人工多能性幹細胞(iPSC)は、通常組織から主要な転写因子を強制的に発現させることで作製され、研究開発に必要なこれら貴重な細胞を無限に供給できる手段となります。しかし、これらの細胞は非常に専門的な性質を持つため、その維持・培養は一般的な細胞株よりも手間がかかります。幹細胞の特性評価は、使用する手法によっては困難かつ信頼性に欠けることがあるため、培養および実験中の幹細胞を確実にモニタリングできる堅牢な技術の開発が重要です。iPSCの維持条件が最適でない場合、多能性が失われる可能性があります。
本アプリケーションノートでは、創薬、疾患モデル開発、臨床治療研究など様々な用途に向け、iPSCの培養・モニタリング・特性評価を効率的に行うための、複数のザルトリウスシステムを組み合わせたシームレスなワークフローの利点をご紹介します。
- ドキュメントタイプ:アプリケーションノート
- ページ数:8ページ
- 所要時間:15分
主な利点
- 特定のiPSCコロニーを一貫して、かつ高い信頼性で選別し、細胞の健全性を維持しながらさらなる試験や培養に使用できる
- インキュベーターからプレートを取り出すことなく、繊細なiPSC系統の培養形態や成長特性をモニタリングできる
- 貴重な細胞タイプの特性評価に必要なサンプル量を最小限に抑え、下流工程への影響(サンプル損失)を最小化できる
- 同一プラットフォーム上で、表面マーカーおよび細胞内マーカー発現など、複数指標の特性評価を柔軟に行えるマルチプレックス実験が可能