ミクログリアの特性解析

神経免疫学は、発生、恒常性の維持、損傷や感染への反応における神経系と免疫系の相互作用を研究する学問です。例えば、ミクログリアによるシナプスの刈り込みは、神経可塑性の重要な構成要素です。損傷、感染、恒常性の喪失は、神経炎症とミクログリアの活性化を引き起こし、ミクログリアは死滅した、または死にかけている神経細胞や感染性物質を貪食するようになります。アルツハイマー病などの多くの神経変性疾患の背景には慢性的な神経炎症があると考えられており、ミクログリアの長期的な活性化は神経細胞のネットワークに有害であるとされています。

The Incucyte® 生細胞解析システム は、ミクログリアの形態学的特性解析および機能的特性解析を広範囲に行うことができます。完全に自動化された画像取得と解析により、アポトーシス神経細胞のミクログリアによる排出やバイオパーティクルの食作用の可視化とカイネティック解析の両方が容易に行えます。化学走性サイトカインに反応したミクログリアの移動は、ライブセル化学走性移動・侵襲アッセイで可視化および定量化できます。非攪乱性の試薬は、エンドポイント解析で課される混乱や制限なしに細胞の形態を保持するため、96および384ウェルのスループットでインキュベータ内から直接インキュベーションを中断することなく、すべての細胞からより多くのデータを収集することが可能です。


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神経免疫機能解析のためのIncucyteアッセイの紹介

Incucyteファゴサイトーシスアッセイ

  • 貪食された細胞の定量的かつ再現性のある特定の測定値を生成
  • 細胞破片や死んだニューロンのダイナミックな食細胞クリアランスを画像や動画で可視化し検証
  • Incucyte® pHrodo® Orange Cell Labeling Kitを使用して、ターゲットに非侵襲的なラベリングを実施
  • マイクロプレートフォーマットで選択したモデルを使用して食作用の全時間経過を効率的に研究

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Incucyte化学走性アッセイ

  • リアルタイムでの走化性測定と形態の視覚的評価をリンクさせ、表現型の深いインサイトを獲得
  • 再現性の高い96ウェルアッセイで、敏感な細胞や希少な細胞を分析
  • 固定、染色、細胞スクレイピングの手順なしに、ラベルフリーまたはラベルされた細胞の移動を測定
  • 専用のソフトウェアと、新しい、光学的に透明なIncucyte ClearViewプレートを含んだターンキーソリューション

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ホワイトペーパー:

Unraveling the Complexities of Neurological Disease and Injury with Real-time Live-cell Analysis

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ホワイトペーパー:

Live-cell Analysis for Neuroscientists: applications for iPSCs and primary cell models

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主な長所

  • ファゴサイトーシスアッセイでミクログリアによる貪食を可視化・検証
  • ミクログリアによる貪食および排出をリアルタイムに定量化
  • ミクログリア走化性の評価
  • 分化または活性化に伴う形態学的変化のモニタリング


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ミクログリアによるファゴサイトーシス(貪食)の可視化と検証

  • pH感受性の蛍光プローブを用いて、画像や動画でミクログリアのファゴサイトーシスを観察します。
  • アポトーシス細胞、細胞破片、タンパク質凝集体、生体微粒子のファゴサイトーシスに適しています。

図1. ミクログリアによるファゴサイトーシスの可視化と検証 iPSC由来ミクログリア(Axol BioSciences)がpHrodo Orangeで標識したアポトーシスNeuro2A細胞を飲み込む様子をタイムラプスで可視化されています。アポトーシス標的細胞がミクログリアの細胞質内に侵入する様子を確認できます。Neuro2Aの標的細胞は、Incucyte pHrodo Orange Cell Labeling Kitでラベル化し、スタウロスポリンによってアポトーシスを誘導しました。

ミクログリアによるファゴサイトーシス(貪食)およびエフェロサイトーシスのリアルタイム定量化

Incucyte® pHrodo® Orange試薬から得られる蛍光シグナルの自動セグメンテーション

Incucyte pHrodo Orange Cell Labeling Kitを用いたアポトーシスNeuro2A細胞やβアミロイド凝集体に対する貪食応答のリアルタイム解析

貪食モジュレーターの作用機序の評価

図2. ミクログリアによる貪食のリアルタイム定量化 iPSC由来ミクログリア(Axol Bioscience)が、pHrodoにより標識したアポトーシス神経細胞(Neuro-2A)を貪食している様子を示す代表的な蛍光画像です。標的細胞が酸性のファゴソームに取り込まれると、細胞内のオレンジ色の蛍光の増加が観察されました。セグメンテーションマスクは水色の輪郭で示されています。pHrodoにより標識されたNeuro2A細胞のエフェロサイトーシスは、細胞数依存します。pHrodo標識Aβ凝集体の貪食は、時間依存的および濃度依存的です。

図3.貪食調節機構の評価 BV-2エフェクター細胞は、アポトーシスを起こしたNeuro2A細胞(左側のパネル)、または大腸菌バイオ粒子(中央のパネル)を除去(エフェロサイトーシス)します。 シトカラシン D(上のパネル)は、エフェロサイトーシスとファゴサイトーシスの両方を濃度依存的に阻害し、IC50 値はそれぞれ 0.16 µM と 1.5 µM でした。 対照的に、aVb3およびaVb5インテグリンの阻害剤であるcilengitideは、テストした最高濃度(100 μM)において、ファゴサイトーシスにほとんど影響を与えない一方で、エフェロサイトーシスを選択的に減弱化しました(IC50値0.17 μM)。これらのデータは、細菌のファゴサイトーシスには関与せず、除去に必要な細胞間相互作用にインテグリンが関与していることを支持するものです。.

ミクログリアの走化性、遊走性の評価

ミクログリアの走化性を画像と動画で観察

96ウェルケモタシスプレート1枚あたり1000~5000個の細胞しか使用しません。希少で高価な細胞集団や初代細胞集団の低セル使用に最適です。

図 4. ミクログリアの走化性・遊走性を評価。 Incucyte ClearView Plateに入れたiPSC由来のミクログリア(CDI)の画像。孔を青色で囲んでいます(左)。ミクログリアは、時間依存的および濃度依存的に補体成分5a(C5a)へ移動することを示しています。

分化・活性化に伴う形態変化をモニタリング

単球からミクログリアへの分化過程における形態変化の追跡

図5. ミクログリアに分化したiPSC由来単球(Axol BioScience)の形態変化を可視化したもの。 ミクログリアの様々な外観に注目です。12日後、赤い矢印はラミファイド型の外観を持つ細胞をハイライトしており、黄色の矢印はより大きな扁平アメーバ状の細胞を示しています。細胞は14日間、2日ごとに分化培地を与え、6時間ごとに20倍の倍率で位相画像を取得しました。

注文方法

注文情報

アプリケーション

購入単位

型番

フォトサイトーシス

Incucyte® pHrodo® Orange Cell Labeling Kit for Phagocytosis

1 キット

4766

Incucyte® pHordo® Red Cell Labeling Kit

1 キット

4649

Chemotaxis

Incucyte® Chemotaxis Software Module

1 モジュール

9600-0015

Incucyte® ClearView 96-well Chemotaxis Plate

1 プレート

4582

Incucyte® ClearView 96-well Chemotaxis Plate – Case of 10 Plates

10 プレート

4648

全アプリケーション

Incucyte® SX5 生細胞解析システム
以下の画像取得・解析システムを含む:

  • 4倍、10倍、20倍の対物レンズ
  • 16.4TBストレージ付きコントローラー
  • HD 3色グリーン/オレンジ/NIR光学モジュール

1 システム

4816


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資料・アプリケーション

資料

Neuroscience Brochure

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Incucyte® 化学走性プロトコール

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Incucyte® Chemotaxis System Application Note

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SFN 2018 | 定量的なライブセルカイネティック解析ポスター

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