バイオシミラーの開発と試験
バイオシミラーにより重篤な疾患の患者への救命治療薬のアクセスを向上
バイオシミラーが先行製品と指紋のように一致する類似性を持つことの証明が、複雑なプロセスであることをザルトリウスはバイオシミラーの第一人者として認識しています。バイオシミラーの細胞株開発やoff-the-shelf形式・カスタム形式アッセイから安全性試験やセルバンクの製造に至るまでのあらゆる試験・開発サービス、さらにこの分野における比類のない専門知識を用いて、お客様に優れたソリューションを提供します。
バイオシミラー試験サービス
最先端の知識をもつ専門家との協力
バイオシミラーの開発では、分析に重点が置かれます。お客様のバイオシミラー候補薬と先行医薬品との間に臨床的に重要な差異がないことを証明する必要があるからです。
ザルトリウスの専門の研究者が、お客様の分子の結合性、機能性、物理化学的特性、構造的特性を十分に評価するために、この目的に適した一連の認定off-the-shelf形式アッセイを開発しました。
ザルトリウスの研究者は、カスタム形式アッセイの開発に関する豊富な経験もあるため、バイオシミラーの同等性と特性解析にも対応するパッケージ化した試験サービスを提供することで、上市までの時間の短縮を可能にします。
バイオシミラー開発サービス
バイオシミラー細胞株の開発
バイオシミラーを製造する場合、細胞株の開発は不可欠です。ザルトリウスのCHO(Chinese hamster ovary)発現プラットフォームは、細胞株の開発に利用できる最も優位なシステムです。ザルトリウスの専門の研究者は、開発サイクルの初期段階から、重要な品質特性を十分に検討できる戦略を構築しました。この品質特性を検討することで、クローンの選択段階で適切なクローンを選択でき、バイオシミラー開発に成功する可能性を最大限に高められます。ザルトリウスは、CHO発現プラットフォームの全ての段階において、お客様の細胞株を分析し、先発品分子との同等性を評価できます。
その他のバイオシミラーの対象
ザルトリウスは、抗VEGF治療薬であるザルトラップ|アイリーア(アフリベルセプト)のバイオシミラーを特性解析するための、物理化学的・構造的アッセイ、結合アッセイを実施できます。
また、機能上の同等性を証明するための一次ポテンシーアッセイと同時に、アフリベルセプトに抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性がないことを確認するアッセイも提供しています。
ヤーボイは、細胞傷害性Tリンパ球抗原4(CTLA4)を標的として、免疫チェックポイント阻害剤の機能を果たします。CTLA4を介した調節機能を抑制することで免疫系を活性化させます。
サルトリウスは、Fc受容体およびC1q結合アッセイのパネルとともに、すぐに使用できる物理化学的および構造的アッセイを用意しており、お客様のヤーボイ・バイオシミラーの詳細な特性評価を実施することが可能です。
オレンシアは、CD80/CD86を標的とする融合タンパクです。 ザルトリウスの分析ポートフォリオ には、バイオシミラーと先行製品との同等性を特性解析するための細胞を用いる結合アッセイとSPRを用いる結合アッセイがあります。
また、ADCC、補体依存性細胞傷害(CDC)活性、抗体依存性細胞貪食(ADCP)活性をもたないことを証明するためのレポーター遺伝子ポテンシーアッセイとFc機能アッセイのパネルも提供しています。
アービタックスは、上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とするIgG1分子です。 ザルトリウスの物理化学的・構造的アッセイは、Fc受容体・C1q結合アッセイのパネルとともにすぐに使用でき、バイオシミラーの包括的な特性解析を実施できます。さらに、結合ELISA法により、Fab領域を介した抗原結合を示せます。
ゾレアはIgEに対するIgG1モノクローナル抗体で、アレルギー性喘息の治療に使用されています。 ザルトリウスは、Fc受容体・C1q結合アッセイのパネルとともに、物理化学的・構造的アッセイの幅広いセットをご用意しています。 IgE結合ELISAとポテンシーELISAで、主な重要品質特性を網羅しています。また、ADCC・ADCPの機能欠損アッセイもご利用いただけます。
コセンティクスは、炎症性サイトカインIL-17を標的とするIgG1分子です。ザルトリウスでは、詳細な物理化学的・構造的アッセイをFc受容体・C1q結合アッセイのパネルとともに提供し、バイオシミラーの開発を支援します。
タイサブリはα4インテグリンを標的とし、多発性硬化症とクローン病の治療に使用されています。ザルトリウスの分析プラットフォームにより、バイオシミラーの物理化学的特性、構造的特性、結合能力に関する見識が得られます。また、Fc結合プラットフォームでは、予測される結合を示すことが実証されています。さらに、さまざまなSPRを用いてα4インテグリン結合アッセイを開発しました。これらのアッセイはIgG4分子にも適しています。
テセントリクとイミフィンジはPD-L1を標的とする免疫チェックポイント阻害薬で、多様ながんに対して効果があります。ザルトリウスが最近開発したニボルマブのバイオシミラーを特性解析するためのアッセイパッケージは、PD-L1を標的とするバイオシミラーにも使用できるように作製されました。これらの分子の物理化学的分析と構造分析を実施できると同時に、細胞を用いる結合アッセイやレポーター遺伝子バイオアッセイも可能です。